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【書籍紹介・レビュー】「論述文」を書く際に役立つアドバイス。『「超」文章法』(野口悠紀雄・著)

Book Review 13 #文章読本 #野口悠紀雄
『「超」文章法 伝えたいことをどう書くか』
中公新書
著 者:
野口悠紀雄
出版社:
中央公論新社
出版年:
2002年10月

ベストセラーになった文章読本。「論述文」を書く際に役立つ具体的なアドバイスが得られる本です。

著者の野口悠紀雄氏は、1963年に東京大学工学部を卒業し、64年に大蔵省入省、72年にエール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得しています。 一橋大学教授、東京大学教授を経て、2002年の本書出版時点では青山学院大学教授。

冒頭には、つぎのように記されています。

本書は、文章を書く際にすぐに使えるマニュアルになることを目ざしている。

ここで対象としている文章は、「論述文」。「具体的には、論文、課題論文、解説文、報告文、企画書、評論、批評、エッセイ、紀行文など」です。

本書の大まかな構成は、以下のとおり。

まず、「メッセージの明確化」が重要であることを説く。論述文の場合は、これが核心だといいます。

つぎに、「骨組み」の構築について、「内容面の骨組み」と「形式的な骨組み」に分けて説明します。

「内容面の骨組み」は、「プロット」とも言えます。さまざまな冒険物語の「ストーリー展開」に見られる共通要素を挙げ、この構成と進行パターンが「論述文」にも応用できることを、自身の著作の例も交えて述べています。

「形式的な骨組み」というのは、文章の「長さ」や全体の構成のこと。文章の「長さ」については、150字(パラグラフ)、1500字(短文)、1万5000字(長文)、15万字(本)の4種類に分類して論じています。全体の構成は、学術的な論文を想定して、「三部構成」について説明。また、重要なのは、文章の書き出しと終わりだといいます。

「骨組み」のあとは、「筋力増強」と「化粧」。

「筋力増強」は、「説得力を強めること」。その方法として、比喩、具体例、引用について述べています。

「化粧」は、わかりやすい文章にすることや推敲のこと。まず、「わかりにくい文章」を取り上げて、なぜわかりにくいか、どう直せばよいか、を示すことによって、わかりやすい文章の書き方を伝えています。推敲については、「形式面のチェック」と「表現のチェック」の両面から説明。

最後は、パソコン時代の執筆作業について論じています。

初出:2025年11月18日